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株式会社 西日本科学技術研究所

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近自然工法=人間活動と生物生存両立のコンセプト

代表的な施工事例

事例1|魚が定住できる全断面魚道:福岡県豊前市、岩岳川(2004年12月〜2005年3月)

 岩岳川は、自然豊かで昔ながらの風景を多く残しているものの、堰堤等の横断構造物が多く、魚介類の移動を妨げていました。そこで、河床低下が起き治水上の問題も懸念される堰堤下流に、元あったような巨礫を投入し、分散型落差工の施工により河床の安定をはかるとともに、移動経路としてだけでなく魚介類が定住できる渓床復元型全断面魚道の建設が試みられました。

2004年 工事着工前の現場

2004年 工事着工前の現場

 

2005年1月 工事中の堰堤直下石組み構造

2005年1月 工事中の堰堤直下石組み構造

 従来の魚道は移動経路としての機能に焦点が置かれ、河川生物の定住環境として配慮された事例はほとんどありませんでしたが、本事例では、施工後7ヶ月を経た2005年10月の魚類生息状況調査により、魚道内の生息密度が周辺に比べ卓越していることが明らかとなり、環境面での改善効果は大きいと判断されました。

2005年10月28日 潜水目視による生息密度の測定

2005年10月28日 潜水目視による生息密度の測定

 

魚道内とその周辺での魚類の生息密度

 工事完成から約5年の2010年2月に、魚道の石組状態、水深、流向・流速を観察し測定しました。この間に大規模な出水を数回経験し、力石や環石の流失が数個みられたものの、対象区間の河床は工事後とほとんど変化がありませんでした。上下流の河床は不安定であったことから、前面魚道が河床の安定化にも寄与していることがわかりました。

※「岩岳川の改修」については建設業界2010年8月号のフォトエッセイで紹介されています。

2005年10月 工事完成直後

2010年2月 構造は安定している

2005年10月 工事完成直後

 

2010年2月大規模な出水を数回経験し、力石や環石が数個流失したが、プール部の過洗掘はなく、河床材料は多様化し、構造は安定している

本事例については、土木学会河川部会「2010年度河川技術に関するシンポジウム」(平成22(2010)年6月3・4日、東京大学農学部弥生講堂)において福留が発表し、優秀発表者賞を受賞しました。
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